阿部サダヲ、勢いで飛び込んだ役者の道“思い立ったら即行動論”！

本当にあった庶民の話。話題の『殿、利息でござる！』がついに5月14日（土）に公開！

破産寸前の吉岡宿、絶体絶命の大ピンチ。そこで立ち上がった9人の男たち。なんと藩に大金を貸付け、利息を巻き上げるとんでもないアイディアを思いつく。でも必要なのは3億円！？ビンボー庶民が、殿を相手に一世一代の大勝負！一発逆転！身の程知らずの男たちが、お上相手に立ち向かう！

主演に阿部サダヲを迎え、瑛太、妻夫木聡、竹内結子ほか最高のキャストが集結。さらには、氷上のプリンス・羽生結弦もスクリーンデビューを果たし豪華過ぎる面々で繰り広げる痛快歴史エンターテインメント。

今回は思い込んだら試練の道をゆく男・穀田屋十三郎を演じた阿部サダヲさんに直撃！今や演技派としてお茶の間から絶大な支持を得る阿部さん自身も俳優への道は勢いだった！？

今から250年前の江戸時代、藩の重い年貢により夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡宿に住む十三郎（じゅうざぶろう）は、知恵者の篤平治（とくへいじ）から町を救う計画を聞く。３億円もの大金を水面下で集める前代未聞の頭脳戦が勃発…！

■本作のストーリーで感じたことはなんですか？

阿部（以下・A）：実話という事にまず驚きました。現在はなかなかつつしむのが難しい時代、ガンガン自分から前へ出していく時代じゃないですか。それはけして悪いことでは無いけれど、多少うちに秘める事が出来るのも日本人が持っているいいところでもあると思うので、少しでもつつしみの精神を考えられたらいいなと僕も感じました。

記者：たしかに、日本には“言わぬが花”という言葉もありますね。

A：スマートフォンで情報の交換が簡単に出来る今の時代だからこそ、車も無い時代にこんな事をした人たちがいたってことがすごいなって思いました。さらには馬にもカゴにも乗らないって言い出しちゃうんですよ。でも、家族のあり方は今とあんまり変わらない。劇中でもお父さんの教えを子どもだった十三郎が聞いてないようで無意識に聞いていたり、それって現代の家族でもよくありますよね。

記者：人間らしさの面では本当にどの時代も一緒ですね。

A：でもお金を殿様から取り返すといった発想は本当にすごい、それをまた実行に移してしまうなんて。なんだか希望を持てます！若い人でもこれやりたいなて思っている人はたくさんいると思います。だけどやる前にいろいろ調べすぎちゃって結局怖くなってやらなかったり。だけどこのストーリーのように飛びこんでがむしゃらに脇目も振らずにやる、その必死さで叶っちゃう場合もあると僕も思います。それに加え魅力的なのが、登場してくる人々はただのヒーローじゃなくて、人間っぽいところ。イヤイヤやっている人もいるし、儲け話だと思って入っちゃった人もいるし（笑）。そのキャラクターが人間らしくてすごく面白いなと思います。

■十三郎に共感したところはありますか？

A：思い込みが激しいところかな。役者は思い込まなきゃ出来ない仕事だと思っているので、役に入り込むという意味でそこは似ていると感じます。

記者：他の人物もみんな個性が豊かですよね。

A：篤平治（瑛太）もいいですし、みんな面白いです。だから今回お芝居をしていて、あの役やりたいなと思う役がほとんどでした。いい役者が揃っているからかもしれないんですけど、先代の甚内（山崎努）も妻夫木くんが演じた甚内もいいですし、全部のキャラクターが絶妙に分散されているから良かったんじゃないかなって思います。いい作品はどの役もやりたくなります！

記者：それにみんないい人ですね、心が温まりました。

A：そうなんですよね。唯一僕がやな奴だなと思った萱場杢（松田）も、よくよく観るとそんな悪くないなこの人！みたいな（笑）。台本を読んだ時は結構なワルなんですけど、松田さんが演じて映像で観るとなんか憎めないんですよね。全体的に考えると村を苦しめていたから1番悪いのは殿様だと思ったんですけど、その殿様が羽生くんだったから結局許せるっていう（笑）。

記者：確かに許せちゃいますね！（笑）

A：これだけ苦しめたのは殿様なのに…！（笑）不思議ですね。