『僕は妹に恋をする』(2007年:松本潤&榮倉奈々)や、『僕...
綾野剛の恋愛は、苦しいことが9割!?
girlswalker編集部
こんにちは!編集部イチのミーハー女子・Bです♪
奇妙な“花”をめぐって、人々が翻弄される姿を描いた映画『シャニダールの花』。
ファンタジーでありながら、リアルな世界観で話題を呼んでいる今作の主演をつとめた綾野剛さんと黒木華さんに、インタビューしてきました!
■今作は石井監督の独特な世界観が表現された作品ですね。最初に台本を読んだときはどんな印象をお持ちになりましたか?
綾野:石井監督自体が作品のような方で、人としてとても魅力的な方だと思います。その石井監督からでてきたオリジナルのものを生身の人間が表現し、映像にするということであれば参加したいなと思いました。
黒木:私は、はじめて台本を読んだときは不思議なお話だなあと思いました。
でもそれを変だとは思わなくて。花が生えていることすら普通として受け入れられるくらい面白いと感じました。なので、映像になったときにこの花たちをどういう風に表現するのか、楽しみでもありました。
■ 監督の演出はどのような感じでしたか?
綾野:たとえば、大瀧が出るシーンで「ここどうしますか?」と聞いても監督は「僕は大瀧じゃないからわからない」と答える人なんです。でもそれは放置しているのではなく、監督はぼくたちがいるべき空間と世界をきちんと作ってくれてて、「僕はここに舞台を用意したから、ここでどう生きる?」っていう回答なんです。なので、大変なこともたくさんありました。だからこそ、僕も大瀧として「このシーンに僕はいない方がいいと思う」という意見も伝えて、1時間くらい話し合ったこともあります。
この話はファンタジーだけど、現実ととても密接な関係にあって。だからこそ見ている人にはこれを事実だと思って観て欲しいという思いがあったので、そこが非常に難しく感じました。
黒木: 私は最初、現場にどういれば良いのかがわからなくて、怖かったんです。でも、響子が何をしても大瀧は大瀧としてかえしてくれるし、そこで私が疑問をもったとしても監督がきちんと観ていてくれる。自分で考えなくてはいけないという大変さはありましたけど、この空気にどう馴染めばいいのかということは考えなくていいんだなと感じました。
■今回共演してみての、お互いの印象を教えてください。
綾野:毒と美しさのバランスがすごくいいなと思いました。それは女性ならではの魅力だと思います。単純に言えば振り幅が広いというか。
また、演じている姿をみて、とてもおこがましい言い方ですが、女優さんとしてもこれから日本の映像界を担っていく存在になると感じました。
黒木:私は役に入っているときでも、雑念が入ってしまったり、なかなかシンプルにはいけなくて。その中でも綾野さんは普通にそれをやっていてすごいなと思いました。動物的な反射神経もすごく良いんですけど、冷静に現場を見ている部分もあって。演技に入ってからもたくさん助けてもらいましたし、単純にやっていて楽しいという場面もたくさんありました。
■今回花を巡って人々が翻弄されていくというストーリーでしたが、この作品に出る前と出た後で、“花”に対するイメージは変わりましたか?
黒木:今まではあまり意識してなかったかもしれないです。
でも撮影中は、すごく愛しく感じて。ある種の母性のようなものかもしれないんですけど、それを感じてから、“花”を近くに感じました。
綾野:僕の中で“花”ってずっと見つめられる存在だったんですけど、その理由がわからなくて。生け花や花束もそうですが、一回殺してから生かすじゃないですか。なので、死ぬところからはじまるんですよね。その刹那的な部分というのが妙な色気を醸し出しているんだなと、この作品に出て気づきました。
あと、これは大瀧に影響されたことですが、子供を見ていられるようになりました。子供って男でも女でもない「子供」という存在だなと思っていて、今までは、そんな特殊な存在である子供に見つめられるとドキッとしてしまって、畏怖に近い気持ちがあったんです。
でもこの作品にでて何者でもない“花”に向き合ってから、素直に子供って豊かだなと、可愛いなと思えるようになりました。
黒木:もし自分に子供ができたら、その子は自分の遺伝子を半分引き継いでいるけど、何ものでもない不思議な存在になりますね。
綾野:だからなるべく自分の血を残したくない。でも、もし自分が親になったらかわいがりすぎて、ただただ、だらしない親になりそうですね。その時は、人間として一つ成長できる時でもあるんじゃないかな。