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吉沢亮も大興奮!話題の韓国映画『パラサイト』ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホと夢の座談会
girlswalker編集部
現代の格差社会を痛烈に描き、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、アカデミー賞受賞の呼び声も高い超話題の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。
今回、2020年1月10日(金)からの日本公開に合わせて来日したポン・ジュノ監督&主演のソン・ガンホ氏と、監督の大ファンである俳優の吉沢亮さんとの鼎談が実現! 憧れの人を目の前に、最初は大・緊・張だった吉沢さん。けれども、ユーモアたっぷりのポン監督と、優しさがにじみ出るソン・ガンホ氏のトークに緊張が徐々に和らぎ、最後には夢の共演プランも飛び出すほど意気投合! 盛り上がった座談会の様子をたっぷりお届けします♡
目次
SPECIAL INTERVIEW
ラストシーンの爆発力に「すごい!」
吉沢「『パラサイト』を観させていただきましたが、すごいところしかなかったです。セットもそうだし、役者さんのお芝居も物語もすごかったです。物語の根底に社会問題への投げ掛けがありつつも、それをしっかりとエンターテイメントに落とし込んでいるから面白いし、いろいろ考えさせられました。素晴らしかったの一言です」
ポン監督「そんなふうに見ていただいて、ありがとうございます(満面の笑み)。映画がいくら重く深刻なテーマを扱っていたとしても、映画を見ている2時間は観客におもいっきり楽しいんでほしいという気持ちがあるんですね。その2時間で、悲しい感情、怖い感情、楽しい感情、さまざまな感情を体験してもらいたいんです。そして映画を見終わって、家に帰って寝ようとベッドに横になったとき、いろんなことが思い浮かんでくる。こんなメッセージがあったんだな、というふうに、後からいろんな思いが湧き起こってくるような映画を作りたいと私はいつも思っているんです」
吉沢「なるほど。ソン・ガンホさんの演技については、ご本人を前にして語らせてもらうのは緊張しますが……」
ガンホ「ハハハ(大笑い)」
吉沢「こちらもやはり、どれもすごいとしか言いようがないですが、特にラストシーンでの表情と演技! 爆発力があって、すごいものを感じました」
ガンホ「好意的に見ていただき感謝します。実はポン監督の作品の特徴の一つとして、言葉や多くの状況を通して説明をするというのがあるんですが、それ以上に、観客に登場人物の状況を想像させるという秀でた演出力を持っているんです。あのシーンは私がうまく演じたというより、ポン監督の力なんじゃないかと思います」
ポン監督「いえいえ、僕はただ現場で『アクション』と『カット』を叫び、ケータリングのご飯を食べただけです(笑)」
一同 (爆笑)
印象的なセリフ その真意を明かす
吉沢「心に残ったシーンはいくつもありますが、ガンホさん演じる一家のお父さん(キム・ギテク)が、息子に向かって『最高の計画は無計画だ』と言うじゃないですか。その瞬間は『何のことだろう?』という感じだったんですが、最終的にはあのような結末が導かれて……それがすごく印象的でした」
ガンホ「私たちの人生は望んだ通りに行かないものですよね。いい方向であれ、悪い方向であれ。だからギテクは自嘲の意味を込めて、自分をあざわらうようにあんなせりふを言っているんですが、彼なりの哲学があるんです。人生は計画を立ててもその通りにはいかない。だから、与えられた環境の中でベストを尽くすのが立派な計画なんだ、ということを言いたかったんだと自分なりに解釈しました」
吉沢「なるほど……」
ポン監督「体育館で家族みんなで横になっているときに、そのせりふをいいますよね。あの時は家が水に浸かって、家を失ってしまった状況です。1日前までは、そんな状況は全く考えもしていなかったことでしたよね。そして、そんなせりふを言ったさらに1日後には、それ以上に想像もしていなかった出来事が起こってしまう。あんな風に話していながらも、実際に何が起こるかなんて分からない。その状況があのせりふをより骨に響かせることができたんじゃないかと思います」
吉沢亮がポン・ジュノ監督ファンになったきっかけ「母なる証明」
吉沢「僕がポン監督のファンになったのは、20歳くらいのときに見た『母なる証明』(2009年制作・ウォンビン主演のサスペンス映画)がきっかけでした。最初のシーンから衝撃的でしたし、どこまで見せる気なんだろうってドキドキしっぱなしで、一気に引きこまれました。最後、お母さん(キム・ヘジャ扮)がバスの中で自分に鍼を打つシーンがあるじゃないですか。あれは結局何なんですか?」
ポン監督「あれは韓方医をやっている方にアドバイスなどをいただいて作ったシーンではなく、シナリオ上での創作です」
吉沢「そうなんですね! 楽になるから打ったという感じでしたけど、最初見たときは死ぬツボなのかと思って、ほかの現象が起きるんじゃないかと思いながら見ていました」
ポン監督「忘れたいけれど忘れられない感情って、私たち誰にでもありますよね。忘れられたらどれだけ楽なんだろうと思うのに、忘れられず、あがく。(鍼を打つ場面で、そういったことを表現しました)。吉沢さんは20歳という若さであのシーンを見て、そんなちょっと妙な気持になったんですね」
吉沢「はい(笑)。すごいものを見たなぁと。監督の作品はほかにも、『殺人の追憶』、『オクジャ okja』『グエムル-漢江の怪物-』も見させていただきました!」
ガンホ&吉沢がポン監督作品に刑事役で!?
ここで、吉沢さんに「もしポン・ジュノ監督の作品に、ソン・ガンホさんの共演者として出演できるなら、どんなストーリーのどんな役がいいですか?」と投げかけてみると……
吉沢「え!? 何がいいですかね……(突然の振りに困惑&緊張)」
ポン監督「息子役はどう?」
ガンホ「息子より、僕と兄弟という設定で一番下の弟は? 歳が離れているからちょっと気分を悪くするかもしれないけど(笑)」
吉沢「いやいやいや、そんなそんな!」
ガンホ「僕が吉沢さんをいじめているんだけど、実は感動的なストーリーが隠されていて、最後はお互いに愛を分かち合うような物語はどうでしょう」
吉沢「(通訳に韓国語を教えてもらい)ヒョンニム(お兄様)!」
一同「おお、素晴らしい!!(吉沢さんとガンホさんががっちり握手)」
ポン監督「吉沢さんが日本の若手刑事、ガンホ先輩が韓国のベテラン刑事で、2人がコンビを組んで国際捜査共助をして、一緒に事件を解決するのはどうでしょう?」
ガンホ「バババババ~ン♬(刑事ドラマのような音楽)」
ポン監督「最初はお互いにいがみ合っているんですが、だんだんと息が合ってくる設定で。いいコンビになると思います!」
ガンホ「さすが監督さんですね(笑)」
吉沢「うれしいです! ところで、監督とガンホさんは『パラサイト』で4度目のコンビを組まれましたよね。長い間仕事をしてきた中で、お互いに尊敬している点や、すごいと思うのはどういうところですか?」
ガンホ「私があえて言わなくても皆さんご存じだと思いますが、監督は驚異的な天才です。私は同僚としてこの20年間、ポン監督の姿を見守ってきましたが、同じ時代に、同じ仕事をしながら生きていることがとても幸せですし、常にすごいと思わせてくれる方です」
監督「私がガンホ先輩を見ながら驚くことは、映画のポスターを見るとわかるように、『パラサイト』はいろんな人物が一緒にアンサンブルを作り出している作品です。ガンホ先輩は現場でご自身の演技だけに集中するのではなく、チーム全体を引っ張ってくれるんです。後輩たちをケアしながら、自分のエネルギーや演技のトーンを共演者に伝染させ、俳優全体の出力を最大まで引き上げるような驚くべき魔力を持っています。普通、映画の現場では、皆それぞれ自分のことで精一杯じゃないですか。でも先輩は周りを見回し、皆と息を合わせて、全体のエネルギーを一つの方向に引っ張っていく。それがすごいなと思いました」
吉沢「主演を張る人の理想形ですね。カッコいいです!」
ガンホ「(日本語で)アリガトウゴザイマス」
吉沢「今日は貴重なお話をありがとうございました!」
ポン監督「こちらこそ、『パラサイト』のPRのために頑張ってくれて感謝します」
INFORMATION
映画『パラサイト 半地下の家族』
2020年1月10日(金)全国公開
《出演》ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
《監督》ポン・ジュノ
《脚本》ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン
《製作者》クァク・シネ、ムン・ヤングォン
《提供》バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks
《配給》ビターズ・エンド
《公式サイト》http://www.parasite-mv.jp/
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【ポン・ジュノ監督の4作品をスクリーンで!特別イベントが決定】
『パラサイト 半地下の家族』の公開を記念し、世界中を魅了してきたポン・ジュノ監督の過去作を一挙にスクリーンで公開するイベントが決定。吉沢さんがポン監督のファンになったきっかけとなった映画『母なる証明』のほか、ソン・ガンホさんととポン・ジュノ監督の強力タッグの第1作目となった『殺人の追憶』デジタルリマスター版などがラインナップされているので、気になった方は是非映画館に足を運んでみては?
《上映日程》
・シネマート新宿 1月31日(金)~2月13日(木)
・シネマート心斎橋 2月7日(金)~19(水)
《上映作品》
『ほえる犬は噛まない』/『殺人の追憶』デジタルリマスター版/『母なる証明』/『スノーピアサー』
上映スケジュールは劇場サイト(cinemart.co.jp)へ。