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橋本愛&成田凌が演じる渾身の“10年間”「観たら無傷では帰れない」

橋本愛さん、成田凌さんが出演する映画『ここは退屈迎えに来て』が、2018年10月19日(金)より全国公開されます。

同作は、2004年の高校時代から2013年までの時間軸の上で、みんなの憧れの的だった「椎名くん」(成田凌)を柱にキャラクターを交差させながら描く、痛く切ない群像劇。
27歳の「私」(橋本愛)は、何者かになりたくて東京に出たけれど、10年が経ち、なんとなく実家に戻ることに。そしてひょんなことがきっかけで、当時みんなの憧れの的だった「椎名くん」に会いに行くことになったのです。一方、地元に残った「あたし」(門脇麦)は元カレの「椎名くん」のことが未だ忘れられずに苦しんでいて……。『ここじゃない』『あなたじゃない』『それじゃない』――もどかしい想い、それでも羽ばたくことを夢見てやまない青春と、青春のその後がリアルに、そして瑞々しく描かれています。

girlswalkerでは、高校時代から27歳までの「私」と「椎名くん」を演じた橋本愛さん×成田凌さんの2ショットインタビューをお届けします。同作の魅力とともに、青春時代のことから地元トークなど、2人の素顔に迫ったインタビューをお届けします。

橋本愛・成田凌_01

“10年間”を感じさせたそれぞれの演技

――高校時代~10年後までのシーンを演じられていますが、役作りで心掛けたことはありますか?

橋本愛(以下、橋本)「私は撮影当時21歳で、高校生なわけでもなく、27歳も知らないので、無理して両者の年齢に合わせようとは思っていなくて。観ている人に、『私』が今何を感じているのか伝わればいいと思っていました」

成田凌(以下、成田)「高校生役の日は(肌を)ぷりっと、その翌日に演じる10年後のシーンの日は、しなびた感じを出すため、前夜に結構な量のお酒を飲みました。生命力の全てを失ったような状態にするために(笑)。撮影中、少しだけ気持ち悪くなってますからね」

橋本「本当にしなびてた(笑)」

成田「ロケ先に飲み屋さんがいっぱいあったので、色んな店の扉を開けて、『よし、ここだ!』と見つけた落ち着いた雰囲気のお店で、慣れないウイスキーを飲みました(笑)」

橋本「同じシーンを撮っているとき、私は前日に飲んでいたことを知らなかったので、現場で『おぉ、忠実に再現してる、すごいな』と思っていましたけど(笑)」

成田「あと、化粧水やリンスもしないで、あえて全身を乾燥させました。時間が限られていたので、そういうアプローチでくたびれた感じを出していました」

橋本愛・成田凌_03

成田凌、橋本愛の表現力に感服

――実際にそれぞれの役を演じられて、いかがでしたか?

成田「大人になってからの『椎名』の姿には、共感できる部分はなかったです。誰も共感しないんじゃないかな? 強いて言うなら、学生時代に僕も、このまま高校生でいたいと思っていました。今が楽しければ良かったですからね、当時は」

橋本「『私』の周りには良い意味で無神経な登場人物が多いのですが、『私』はまだビビットに反応してしまって、上手にかわせないんです。未熟で、黒いものが混じってしまう卑屈な描写には、『わかるなぁ』と思った部分が多くありました」

橋本愛_01

成田「橋本さんって、すごいですよね。表現が的確で、語彙力に長けている!年下ですけど、帰りの車で『馬鹿だなぁ』って言われちゃうんじゃないかと思うくらい(笑)」

橋本「そんなことないですよ。私は成田さんを見て、久しぶりに動物的な方とお会いした気がしました。言葉にするのは難しいのですが、限りなく直感で行動されているのかな、と」

成田凌_01.

――撮影中はお互いどんなお話をされたのですか?

成田「『子供ができたら名前何にする?』って話したの覚えてる? 僕は、2文字の名前が良いって言って」

橋本「そうだ! 私は、『むぎ』とか『いと』が良いって言って。共演した門脇麦ちゃんのお名前が大好きなんです。成田さんは、不思議な2文字の名前だった気がする」

成田「ちゃんと覚えてないけど『きき』とか言ってたかも(笑)」

地元・熊本&さいたまについて語る!

――“地元”を舞台にストーリーが繰り広げられていきますが、お2人の“地元”はどんなところですか?

成田「僕は、さいたま新都心から一番近い小学校に通っていたので、さいたま新都心を見ると『地元だな』って」

橋本「(東京から)近いんですか?」

成田「近いから、しょっちゅう実家に帰ってます。あと、今回の撮影で土手のシーンがあって。高校生のときは、わざわざ遠回りしてまで自転車で土手を走っていたから、懐かしい気持ちになりました。100%良い映像になるな、と思いながら」

橋本「私の地元は地方(熊本県)なのですが、バイパス沿いの大きな靴屋とかファストフード店とかに、絶対広い駐車場があるんですよ。こういう普遍的なものを知っているから、自分の中で何が特別かがはっきりしてる。東京にいるときも、自然と似た景色を探して、見つけては嬉しくなったりします。熊本で育ったからこそ、私の人生は豊かになっていると思っています。昔は、東京が遠くて、なんで千葉とかに生まれなかったんだろうって悩んだりもしましたけど(笑)、今では“地元”が熊本で良かったと思っています。今回演じた『私』に自分の感覚を落とし込むことができたので」

橋本愛・成田凌_02

――本作では、夢と現実の狭間に揺れる登場人物たちの10年が描かれています。ご自身の人生は、振り返っていかがですか?

橋本「私はずっと地元にいるものだと思っていました。テレビも見ないし、芸能人の方の名前も全く知らなかったので、まさか自分がこんな仕事をすることになるとは思わなかったです」

成田「僕も学生の頃は、びっくりするくらい何も考えていなかった。今の自分の姿は、想像できないですね」

「無傷では帰れない」 作品の魅力

――役を通して、観ている人にどんなことを伝えたいですか?

橋本「この映画の中に出てくるどこへも行けない人たちや、あらかじめ何かを失っている人たちの生き様を観て欲しいです。無傷では帰れないと思います。でも、その負った傷に気付いてあげられたら、それがこの映画を観た意味になるし、「青春」とのつきあい方のヒントを貰えるのではないかと。人間誰しもが感じてしまう哀愁ややり切れなさを逃さず描いた作品です」

橋本愛_02

成田「『椎名くん』は、みんなが作った虚像でしかありません。外見しかない、中身のない人間。学校が終わった、どうしよう、金がない、とりあえず働くか……みたいに目の前のことだけやって、何も記憶に残らないような生活を送ってきた結果がラストに描かれています。『そりゃそうなるよな』とも思えるし、『そうなってしまったのか……』とも思える。10年後のくたびれた椎名くんの姿が全てを物語っています」

成田凌_02

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※締切は11月2日(金)

INFORMATION

「ここは退屈迎えに来て」
10月19日(金) 全国公開

《出演》橋本愛 門脇麦 成田凌 / 渡辺大知 岸井ゆきの 内田理央 柳ゆり菜 亀田侑樹 瀧内公美 片山友希 木崎絹子 / マキタスポーツ 村上淳
《原作》山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」幻冬舎文庫
《監督》廣木隆一
《脚本》櫻井 智也
《配給》KADOKAWA
© 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会

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