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宮藤官九郎作品で東出昌大が“ぶっ壊れる”…!?
girlswalker編集部
町田康の傑作小説『パンク侍、斬られて候』が、【主演:綾野剛×脚本:宮藤官九郎×監督:石井岳龍】という最強の布陣で、2018年6月30日(土)にいよいよ全国ロードショ-!
ある日、とある街道に1人の浪人があらわれ、巡礼の物乞いを突如斬りつけます。自らを“超人的剣客”と表すその浪人の名は掛十之進(綾野剛)。掛は、「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と語るのですが……。
始まりは1つのハッタリ。発令される隠密ミッション。“10人男たち”による腹の探り合いと、“1人の女”をめぐる恋の行方。そして“1人の猿”が語り出す驚きの秘密。最後に斬られるのは誰だ!? この世のものとは思えない物語がはじまります-。
girlswalkerでは、堅物で機転が利かない、「正論公」という別名をもったザ・お殿様な黒和藩主、黒和直仁を演じた東出昌大さんにインタビューを敢行。超豪華共演者たちとのエピソードや、“ぶっ飛んだ”同作の見どころについてお話を伺いました。
目次
「この役に至っては僕自身ぶっ壊れてました(笑)」
-今回の役を演じる上で心がけたことを教えてください
「初めてみんなで芝居を合わせる“リハーサル”という段階から、みんながおもしろすぎるので一生懸命笑わないようにしました(笑)。『おもしろいだろ』って思いながら演じるのではなく、とにかく真剣にやることが僕に与えられた任務だったと思っています」
-演じていて楽しかったですか?難しかったですか?
「監督は、とにかく『全力で』ということだったので、全力で『わからん!』って台詞を言いながら、全力のわからんってなんなんだろうとか思ったり(笑)。他の作品だと『あの瞬間は役になりきってましたね』とか言うんでしょうけど、この作品においては、僕自身ぶっ壊れてたなって思います(笑)」
-ご自身との共通点はありましたか?
「強いて言えば、頑固なところですかね。『余は感性が鈍いと申すか』って、自分の至らない部分を素直に側近に聞けるっていうのは、本来であれば名君で、尊敬するのですが……結局家臣を困らせていたのでなんとも言えないですね(笑)」
共演者と盛り上がった話とは?
-台本を読んで、そして完成した映画を見てどんな印象をもたれましたか?
「いい意味でとんでもない台本だな、ぶっ飛んでるなって思ったんですけど、映画を見てみるとさらに『なんじゃこりゃ、爆発してるよ』って(笑)。石井岳龍監督と宮藤官九郎さんという2人の天才の相乗効果で、見たことのないものが出来上がったと思っています。もともとお2人のファンだったので、一ファンとしても、天才の強力タッグってこういうことだな、と感動しました」
-現場では演者のみなさんとどのようなお話を?
「お芝居のことよりも、プライベートに関するお話が多かったです。國村さんが渓流釣りをよくなさるそうで、リールっていう糸をくださいました。夏の渓流釣りはこういうのがいいとか、いろいろな話をしてくださいました。カメラが回ると常に緊張感のある現場でしたね」
東出昌大が喋ってみたい動物は?
-話の展開がぶっ飛びすぎて、「毎日違う作品を撮っているようだった」とおっしゃる方多かったようですが、東出さんにもそのような感覚はありましたか?
「『飛んできた石ころが当たります』とか『猿が頭の上を飛び越えます』とか、それに関するリアクションは、やりながら『こういう経験はもう二度としないだろうな』って思っていました(笑)」
-1番お気に入りのシーンは?
「デウスが出てきたらからはずっと頭の上には疑問符がありました。永瀬さん演じる猿が、現場で流れる猿の台詞に合わせて口をパクパクさせてるので、猿が喋ってる……って変な感じでしたね(笑)」
-作品では猿が喋っていましたが、東出さんが喋ってみたい動物は?
「犬を飼っているので、犬と喋れたらいいな~とは思いますけど、甘やかしてるので要求が多いんだろうな(笑)」
「ここまで振り切っていれば映倫も何も言ってこないと思います(笑)」
-本作は現代社会の縮図だと監督は表現していましたが、東出さんはどう感じましたか?
「原作自体に、世の中のいろんな不条理をぶっ壊したいっていう思いがこもっていて、際っきわを攻めた作品ですよね。商業映画で、こんなに攻めた作品ってあまり見たことないけど、ここまで振り切ったものなら、映像倫理委員会とかも何も言ってこないんじゃないか、みたいな(笑)。原作者である町田さんの哲学的な部分を、最大限映像化できる脚本家・監督がいて、なかなか放送禁止な映画ができたんじゃないでしょうか(笑)」
-石井監督と宮藤官九郎さんの印象を教えてください
「宮藤さんの作品に出たのは、『あまちゃん』に続いて2作目なんですがまだお会いしたことなくて。お互い劇場とかで近くの席になって挨拶したぐらいですね。言わずもがなの天才ですね。原作をここまでいきいきさせた映像作品にし、演者さんの魅力を最大限に引き出した台詞を書いて。僕も、こんなおもしろい台詞言わせてもらって感謝しています。そして世代は離れているのに、宮藤さんの才能を2倍にも3倍にもする監督の天才さ。コメディというジャンルの新しい世界を構築していて、すごいなって思います」
カンヌでレッドカーペットを歩いて思ったことは?
-今後どういうお芝居をしていきたいですか?
「1度ご一緒した監督に再度お会いしたとき、構えるものがなくなって、今度はああしてみよう、こうしてみようって思えるんです。今までたくさんの素晴らしい監督とご一緒できたので、同じ監督の作品に出て、恩返しのようなものができればいいなと思っています」
-今年9月に公開される映画『寝ても覚めても』で行かれたカンヌ国際映画祭はいかがでしたか?
「『日本背負ってるな。しっかりレッドカーペット歩かなきゃ』って思いにはなりました。でも、そんな中で監督が『このくだらない螺旋からいつ降りようかばっかり考えている』みたいなこと言っていたのを聞いて、素敵だなって思いました。宣伝をするのはすごく大事なことなんですけど、撮り終わった映画のことを振り返るばかりじゃなく、次自分が入る現場のことを考えている監督に『そうだよな、ものづくりってそういうことだよな』って共感しました」
-最後に、映画を楽しみにしている方へ向けてメッセージをお願いします
「賛否の“否”をいっぱい聞きたいです。“否”だけで一晩お酒を飲めるような4人組みたいなのがいたとしても、僕はそこに参加していろいろ意見を聞きたいです。でもこの映画を観終わったあとに感想を語り合ったら、みんなグデングデンに酔っ払うんじゃないですかね(笑)。僕はこの映画が好きです」
『パンク侍、斬られて候』
2018年6月30日(土)全国ロードショー
《監督》石井岳龍
《脚本》宮藤官九郎