女優でモデルの内田理央と俳優の伊勢谷友介が、2019年11月...
「清須会議」大ヒットの裏に、三谷幸喜とキャストのリアル会議!?
girlswalker編集部
今話題の映画と言えば、「清須会議」。信長亡き後、織田家の今後をどうするか。
ビジネスマンにも学生にも、あるあるこういうこと!と、共感ができる部分が多々あるということで人気のこの映画の監督、三谷幸喜さんにお話をうかがってきました。
ひとつひとつの質問にとても真摯にこたえてくださる三谷さんのお茶目な部分にも注目してみてくださいね。
まずは、女性が気になるメイクの話から……。
■ 率直に、女性陣のメイクが時代背景に忠実すぎていて、驚いたのですが、それはやはり監督の意図するところだったのでしょうか?
三谷(以下M):実は、鈴木京香さんのあのメイクが怖いって意見を聞いて、僕は意外だなと思ったんです。なんというか、あのメイク、妖艶でいいと思ったんですけどね……たしかに、当時のメイクなので、眉が無いように見えたりして怖く見えるかもしれませんね。 怖さと同時に美しさがあると思っているんです。
そもそも、よく時代劇では男優さんはメイクをして老けた印象にしたり、男らしさを強調したりするのに、女優さんは現代風のメイクのままで登場するということに違和感を感じていたんです。女優さんだけなぜ今どきな感じで登場するのか。なんだかもったいないなと思っていて……。
たとえば、黒澤明監督の時代劇を観ると、女優さんも白塗りに引眉(ひきまゆ)のメイクをしていますし、自分もそれを観て違和感は感じませんでした。むしろ素敵だなとすら思っていたので、今作に関しても女優さんに現代風のメイクで出演してもらおうとは思いませんでした。そんなに驚かれるとは思っていなかったので…結構ビックリしています(笑)。
■ なるほど(笑)。実は、作品を観ていて、三谷さんはもしかして秀吉のことが好きなのかなと思ったのですが、自分に似ている部分や特別な思い入れはありますか?
M:結論から言うと、そんなに秀吉は好きじゃないんですよね。演じた大泉洋さんが(作品の中の秀吉の)策略家でありながら、軽快な雰囲気を出しているんだと思います。僕自身は、柴田勝家のほうが、惹かれるというか、好きですね。この作品では特に、秀吉ってやっぱり狡猾だし、人の懐に入るのが上手な明るい人にみえますが、実はすごく暗い人だと思いますし。
なんというか、常に計算をしていて、例えば彼が名古屋弁を話す時は、相手に対して「僕はあなたに腹を割って話しているんだよ」っていうアピールだったり…。
だからキャラクターとしては、あまりいいヤツではないし僕も好きでは無いんです。
やっぱり、なんというか柴田勝家のバカさとか、女性に対する純粋さとかを応援したくなるし面白いんじゃないかなぁと思っているんです。
ただ、大泉さんには「秀吉はあくまでヒールな立ち位置で、悪役だよ」という話はしました。彼が演じることで、そこまで嫌なヤツにはならないかもしれないけど。
なぜ秀吉が好きでないかというと、歴史には勝者と敗者がいて、僕は敗者が好きなんです。敗者にはドラマがあるし、ペーソスがあるし、可哀想だし、でもだからこそユーモラスな部分があったりして。勝者にはそれを感じないんですよね、だから秀吉を主人公にしてコメディは作れないと思う。勝った時点で応援したくなくなるというか…。だから映画を観て、僕が秀吉好きなんじゃないかと思ったならば、それは大泉さんの力ですね。
■ 秀吉は、世渡り上手の代表みたいなものだと思いますが、三谷さんにとって、世渡り上手な人ってどんな人だと思いますか?
M:僕の周りはプロデューサーや役者さんなどが多くて、そもそも出世したいとか、いい暮らしをしたいということを第一に考えている人があまりいないんです。なんとなく世渡り上手な人のイメージは分かるのですが、周囲にいないんですよね。
強いて言うなら、俳優さんの中でも、皆に気を遣えて、スタッフにも受け入れられて、いろんな作品に呼ばれている人ですかね…。でもそもそも、こういう世界に身を置いている時点で、皆さんあまり世渡り上手じゃないですから(笑)。
■ 人の心を読んで、うまく掴むことができる秀吉と、そうでない勝家が描かれていましたが、三谷さんご自身はどうですか?
M:それはやっぱり、必要であればやりますよね!例えば、誰かがセリフがうまく言えなくて何回もNGを出している時に、どうしてあげればいいかとか考えますし。俳優さんにもいろんなタイプがいますから…何回も録るのがプレッシャーになってしまう人もいれば、きちんと演じられるまで自分が納得しないという人もいます。常にこの人はどっちだろうって、考えていますね。
■ 若手の俳優さんや、初めてお仕事をする役者さんとのコミュニケーションはどうされているんですか?
M:例えば剛力さんは、彼女にとって時代劇が初めてだったこともあり、リハーサルをさせてもらう時間がありました。基本的な所作から始めて、そこでお芝居もつけていきました。その中で、いろいろとお話する時間があったので、本番はスムーズに出来たと思います。
■ 剛力さんのように、三谷さんにリハーサルをしてもらった俳優さんは、どういう反応ですか?
M:いやー、「役者として目が覚めました!」みたいなことは言われたことないですよ(笑)。でも、事前に演出をすると、やっぱり違いますよね。
今回は伊勢谷友介さんともはじめてだったので、緊張されている部分もわかりましたし、いろいろと最初はさぐりあいながらだったこともありました。浅野さんは「ステキな金縛り」以来2回目だったので、前回とは違っていい意味で肩の力が抜けた感じだったり。やっぱりだんだん一緒にお仕事をしていくうちにいろいろとわかっていくこともあって楽しいですね。
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監督の、作品づくりに対する情熱と、役者のみなさんに対する優しい気遣いが伝わってくるお話の数々でした。
そんな素敵な現場の雰囲気も感じながら映画を観てみるのも面白いかもしれませんね。ありがとうございました!
関係者にしか配られない、プレスシートを監督のサイン入りでいただきました!
次週公開、お見逃しなく!【募集:2013.12.10-2013.12.17】
http://girlswalker.com/cp/static/present/
Information
『清須会議』
三谷幸喜と超豪華キャストで贈る笑いと驚きとドラマに満ちた全く新しい歴史エンタテインメント。
本能寺の変で織田信長が死去した後、家臣の柴田勝家と羽柴(豊臣)秀吉らが後継者を決め、日本史上初めて合議によって歴史が動いたとされる清須会議の全貌が明らかに…
映画『清須会議』公式サイト
http://kiyosukaigi.com/