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京本大我(SixTONES)が思う理想の恋愛とは?「お互いが子どもに戻ったように…」
girlswalker編集部
SixTONESの京本大我さんが初の映画単独主演を飾る、6月28日(金)公開の映画『言えない秘密』。本作は、留学先での経験からトラウマを抱える音大生・樋口湊人(京本大我)と、ある秘密を抱えた音大生・内藤雪乃(古川琴音)が音楽大学を舞台に描く、淡く切ないラブストーリー。
京本さんはピュアな恋愛には憧れがあるようで…。そのほか、“秘密”との向き合い方など、今作を通じて明かされる京本さんの本音についてもお聞きしました。
SPECIAL INTERVIEW
湊人役を等身大のまま演じました
——留学先で挫折したという大学生の湊人役にどんな印象を持ちましたか?
京本大我(以下、京本)「ほんと普通の男の子…っていう感覚でした。自分の実力のなさに挫折してトラウマを抱えているって、この年代ではめずらしいことではないような気がするし、ちょっとぎこちない父親との距離感もよくあることだと思うので、等身大のまま演じていました」
──ピアノという1つの世界の中で葛藤を繰り返して「サボり方を知らない」と語る湊人の姿は、芸能の世界でストイックに切磋琢磨する京本さんご自身と重なりそうですが…。
京本「そう見えているんだったら嬉しいですけど、僕の場合はサボりっぱなしなんで…(笑) 」
——サボり方は知っているほう…?
京本「知ってます知ってます。息抜きもうまくやっていますし。湊人ほど挫折したことはないけど、挫折しかけたこともありますし、役に入っていくための引き出しはたくさんあったなと思いますね」
——大きな挫折から自分を取り戻すまでのグラデーションが物語の中では描かれますが、それをどのように見せていこうと思いましたか?
京本「古川琴音ちゃんが演じる雪乃が湊人の気持ちを導いてくれる存在だったので、雪乃に委ねる部分はたくさんありましたね。だから自分で計算しながらグラデーションをつけるというよりは、どのタイミングで雪乃に心を開いて、その言葉に耳を傾けていくのかを、お芝居のなかで見つけていきました」
ピュアな恋愛が羨ましい
——そういう意味では、湊人はどのあたりから雪乃に惹かれたんでしょうか。
京本「連弾した時かな。最初は変わった子だなって気になりながらも距離を感じていて。でも、連弾で初めて自分のことを打ち明けたりして、心を完全に開いたような感覚がありました」
——雪乃に惹かれていく湊人を、ご自身はどう見ていたのでしょうか。
京本「雪乃って、さりげなく心をノックしてくるので、こちらも受け入れてしまうというか。それが意図的ではないから湊人も自然体でいられるし、大学をサボってゲーセンに行ったりすることも、よくあることかもしれないけど、2人にとっては特別で。雪乃が魅力的だから、そりゃあ惹かれるよなと。湊人の気持ちはわかるなって思います。実際、雪乃とのシーンは僕にとっても愛おしい時間でした」
——雪乃は湊人にとってどんな存在だったと思いますか?
京本「恋愛対象であり、理解者でもあり、シーンを重ねるごとに深いところで繋がっていく感じがあって。物語の序盤から、キュンを求めるだけとか、単純に好きになって一緒にいたいだけではなく、パートナーや親友に近い感覚がどこかにありました」
——たしかに、言葉を交わす時だけではなく、雪乃を見るときの目線などにも、そういう気持ちが現れていたような気がします。
京本「お芝居に関しては、河合勇人監督が、お互いがスムーズにできるところが見つかるまでやってみよう、と言ってくださる方で。照れてウジウジしながらちょっとずつ近づいてみたり、このあたりからチラチラ雪乃を見始めたほうがいいとか、けっこう細かく詰めていきました」
——雪乃は深いところで分かり合える存在であって、だからこそ後半は切ない描写も…。2人の関係性が、ご自身の恋愛観と重なる部分はありましたか?
京本「理想ですよね。自然体のまま、あれだけ恋愛できるところが。なんていうか、キャッキャしてはしゃいでる友だちの延長線という感じ。あんなふうにドラマティックな出会いとか、なんの障害もなく惹かれ合う環境ってなかなかないと思いますけど、いつか、ああいう恋愛ができるといいなって思いますね」
——そういう人との出会いは誰にとっても理想かもしれませんね。
京本「あそこまでドラマティックじゃなくても、理解者とか分かり合える人って、けっこう身近なところにいるんじゃないかなと思うので、あとは自分が気づけるかどうか。それと、その相手とちゃんと向き合えるかどうかなのかな」
——2人で一緒に海に入るところなども、すごく可愛いシーンでした。
京本「ピュアでいいですよね。周りの目を気にせず、後先を考えずに海に入ってしまって、濡れちゃった服を2人で乾かして。一緒にゲーセンに行ったり、自転車で2人乗りしたりするシーンも印象的でしたけど、そうやってお互いが子どもに戻ったときのように夢中になれる存在っていうのは、羨ましいです」
3ヶ月前からピアノを練習しました
——撮影にあたってピアノの練習をしたそうですね。
京本「マネージャーから『ピアノ弾けるよね』って言われて、独学でポップスやロックがちょっと弾けるくらいって話したら、この映画の話がきて。クラシックは弾けないって話していたんだけど(笑)それで監督と顔合わせをしたときに、自分で弾いてほしいと言われたから『早めに練習入れるようにお願いします』と伝えて。クランクインの3ヶ月くらい前から練習しました」
——実際に練習してみてどうでしたか?
京本「ピアノって美しさも力強さもあって表現の幅が広いから、やりがいがあったし、発見もいっぱいありました。普段誰かとハモったり、ギターでセッションする時もそうですけど、ピアノの連弾っていう言葉じゃないもので距離がギュッと縮まるというのが魔法みたいで素敵だなって思ったし、連弾をして秘密を共有する、みたいな見え方もあって。難しそうって思っていたけど、一緒に奏でる楽しさも学びましたね」
——連弾がうまくいった時に雪乃とハイタッチをした、という撮影エピソードも。お芝居で通じ合う感じは、セッションで通じ合うのとはまた違いますか?
京本「SixTONESのライブがうまくいって、最後にメンバーとイエーイってハイタッチするのがリアルだとして、役を演じているのにお互いの心を通じ合えるのって面白いなと思います。お互いに本気で役に向き合ったからこそ、たどり着ける境地というか。芝居って正解がないから、2人がハイタッチしたとして映像を観た人がどう思うのかわからないけど、演じた相手との間に何かわかりあえるものが見つかったりするのは、芝居の面白さなのかな」
——これからどこかでピアノを披露されることも…?
京本「作曲ではピアノを使っていて、ライブでは弾いたことないけど、発表会みたいになるよりは、ピアニストにお任せして歌に全振りしたほうが気持ちを十分乗せられるかなと。ここまで歌に重心を置いてきたから、歌とピアノの50/50になるのが怖いんですよね。『頑張ってた』って言われるのが嫌だし、ちゃんと音楽を届けたいって思うから。でも、練習はめちゃくちゃ楽しかったです。ピアノも大学生活も知らない世界だったから。自分のなかのマルチバースみたいに、違う体験ができるのは楽しいですね」
——湊人は自分の実力にトラウマを抱えていますが、京本さんご自身も音楽活動やミュージカルを経験されるなかで、難しさを感じることはありますか?
京本「ミュージカルは同じ音楽とはいえジャンルが違いすぎて苦戦したことはあったし、曲を作ることもありますが、それはまだ生みの苦しみを感じるほど曲数が多くないので…。10代の頃の声変わりはしんどかったかな。中学生になってからも高めのパートを任されて、本番で歌ったら声が裏返っちゃって」
——どうやって乗り越えたのでしょうか。
京本「その時は乗り越え方がわからなくて、でも奇跡的に高い声がまだ出るほうだったので。声がなんとか出たおかげで歌を嫌いにならずに済んだのかも」
メンバーの関係性はどんどん良くなっている
——「秘密」とタイトルについていますが、京本さんは親しい人との間に秘密があってもいいと思いますか?それとも、ないほうが…?
京本「むずかしいですね…。親しいとしても感性や価値観は違うから、これを言ったら心配させちゃうなとか、これを言っても理解されないかもなっていう塩梅がわかってくると、あえて言わないことも出てくるのかなって。変わらない関係を続けるためにも、言わない優しさみたいなことはありますよね。
逆に、まだそんなに親しくなくても、1つ理解し合えるものが見つかったときに、この価値観をわかってくれるなら、今まで誰にも言ったことがないことを話してみようかなってなるし。会ったばかりなのにめっちゃ深く繋がれること、ありますね。初めて伝えるのがその相手っていうことを不思議に思いつつ、後悔があるわけじゃなくて」
——メンバーへの秘密はありますか?
京本「どうだろう…。意識はしてないですけど、そういえば言ってないよなってことはあるのかも。たぶん、みんなあるんじゃないですかね、それぞれ」
——デビューから約4年。年齢を重ねるなかでメンバー同士の関係性が変わることも?
京本「いい意味で丸くなっているというか。パフォーマンスでは逆に尖っていきたいんですけど。普段一緒にいる時の関係性はどんどん良くなっていて、この前も仕事終わりに2〜3人でご飯に行ったときの写真がグループLINEに貼られていたり、行ってない人がそこにコメントしていたりとか」
——ソロ活動についてお互いに話すことも?
京本「話しますね。6人で取材がある日に、一列に並びながら『今あの作品撮ってるの?』『現場はどうなの?』とか。ジェシーが『お迎え渋谷くん(関西テレビ放送)』をマメに見てくれて、『展開早くない?』と感想を言ってくれたりとか」
——今作ではエンドロールを彩る主題歌『ここに帰ってきて』もSixTONESが担当されていますね。
京本「それもあって、みんなに観てもらいたい気持ちは強いです。でも、こっぱずかしいですね(笑)(松村)北斗あたりは何も言ってこないけど、ジェシーはまた感想を教えてくれるかも。MVの撮影では(森本)慎太郎が『こんないい曲持ってきてくれて、きょも、ありがとう』って言ってくれて。主題歌はみんな気に入ってくれています」
INFORMATION
映画『言えない秘密』
6月28日(金)全国公開
《出演》京本大我、古川琴音、横田真悠、三浦獠太、坂口涼太郎/皆川猿時、西田尚美、尾美としのり
《監督》河合勇人
《脚本》松田沙也
《音楽》富貴晴美
《撮影》足立真仁
《照明》市川徳充
《録音》藤本賢一
《美術》古積弘二
《編集》瀧田隆一
《主題歌》「ここに帰ってきて」 SixTONES (Sony Music Labels)
《配給》ギャガ
《公式サイト》https://gaga.ne.jp/IenaiHimitsu/
《公式X》@Ienai_H_movie
《公式Instagram》@ienaihimitsu_movie
©2024「言えない秘密」製作委員会