山田尚子監督の長編アニメーション映画『きみの色』が8月30日...
錦戸亮が赤面!「実は…」木村文乃が“衝撃の過去”を告白
girlswalker編集部
熱狂的支持を集める山上たつひこ×いがらしみきおの巨匠タッグによるコミック『羊の木』にアレンジを加え、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八監督が実写映画化。さびれた港町に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。一見普通にみえる彼らは全員、元殺人犯。信じるか 疑うかー?。豪華俳優陣で贈る衝撃と希望のヒューマン・サスペンス。
今回girlswalkerでは、 “国家極秘プロジェクト”の遂行を任される市役所職員「月末」を演じた主演の錦戸亮、そして月末が長年の想いを寄せる幼馴染「文」を演じた木村文乃に、役どころや作品への思い、初共演のエピソードなどを伺った。
***
原作とは全く異なる設定、エンディング
ー錦戸さんは原作を先に読まれていたとのことですが、手にしたキッカケは?
錦戸:たまたま面白い漫画を紹介しているまとめサイトを見ていて、作品一覧からパッと見て面白そうやなって、読んだことないのを選んだんですけど。まさかそれをやるなんて思ってなかったんで。興味深いっていう方の面白さでした。それが映画になるって聞いたときは、これを映像ってどうなるの?っていう興味はありましたね。
木村:私は映画のオファーを頂いてから原作を読みました。本当にこれ、どうやって映像化するんだろうって思いましたね。
錦戸:原作に出てくるのは、おっさんばっかりやしね(笑)
木村:そうなんですよ(笑)私が演じた文は、キャラクターとしてはオリジナルで、原作には登場しないんです。そういう役割を担っているので、ネットで検索して出てくるくらいの有名な原作をやらせてもらうというのは怖さもありましたね。音楽のシーンも原作には入ってなくて。原作読んで台本読んで、これはこれ、それはそれっていうことで、原作にはない部分は監督の言う通りにやっていこうと思っていました。
ー今回の役を演じるにあたり、意識したことはありますか?
木村:吉田監督って、セリフのテンションとかニュアンスではなくて「空気」を見てるというか。私が何かを意識したというよりは、監督が撮りたいものにこだわったっていう感じでしたね。監督は口数が多くないんですよ。あぁしてくれこうしてくれではなくて、こう、こう。ってファッて投げてくるので、それがなにを伝えているのか掴んで返したいなって。その感覚がちゃんとしてないと表現て難しいって思っているので。なんて言葉にしたらいいのかはわからないですけれど。言葉が不器用な人だからこそ、少ないものの中から空気をどう感じ取っていくかというのは大事にしました。
錦戸:月末自身は身元もキャラクターも様々な人を受け入れるという役ですから、ナチュラルさを意識していたかといわれると、正直わからないです。その人と一緒に過ごした時間、プラスアルファが積み重なって生まれるものじゃないですか。だから、そいつがなんかやった奴だとしても、僕が横で直に見てきたことが関係性とか感覚になってくんだと思います。
ー原作にはない演奏シーンもありましたが、練習などはされましたか?
木村:楽器をやるのも、もちろんエレキギターを触るのも初めてで。撮影の一か月前から週一くらいバンド練習をして、自宅にも撮影に実際に使う機材を持ち帰って、たまにスタジオで合わせて、という感じで。もう、これ意地でも音録ってもらおうって。結構、練習しましたね。
記者:錦戸さんが普段弾かれる音楽とジャンルが異なりますがいかがでしたか?
錦戸:ノイズに近いものはありますよね。文のギターも、キャラクターとか作品の世界観にすごくフィットしてると思います。あぁいうジャンル好きな人って”沼”っていうのか、ずっとあの感じのものを深く掘って聴いてる感じしますね。
実は共演する前から出会っていた二人
—今回初共演とのことですが、お互いの第一印象はどうでしたか?
錦戸:どこで会いましたっけ、楽器の練習の時やったかな。空港?いや……それはカットされてるシーンですね(苦笑)やっぱ練習の時ですかね。
木村:はじめて私が撮影に入ったのが区役所のシーンで、たぶんその時だったと思います。それはカットされてないシーンです(笑)
錦戸:あぁ、区役所のシーンか!そうだそうだ。共演は、今回が初ですね。なんか、月末と文の関係性もそうですけど、月末はがんばってるけど文には全然振り向いてもらえない。僕もなんかそんな感じでした。勝手なこっちの解釈で、ですよ?(笑)
木村:監督からも聞きました。錦戸さんが私のこと「ずっとこっちを睨んでるみたい」って言ってるって(笑)
錦戸:なんか「怒ってるんかなぁ?」みたいな。機嫌を取ってたわけでもなく、なんやろう、夫婦役だったらもっとコミュニケーションとりにいってたかもしれないですね。話す時は話すし、良い感じの距離感でした。考えたら今日が一番話しているかもしれないです、実は。
木村:実は私、以前買い物しているときにお見かけしたことがあるんです。遠目からでもはっきり錦戸さんだってわかるくらい芸能人オーラがあって(笑)それで今回、月末を錦戸さんがやると伺って、月末のキャラってどっちかっていうと逆のタイプだったので、お芝居になったらどういう感じになるんだろうって思ってました。初めて撮影に入った時も、区役所で書類を書いてる私が振り返るシーンのときに、どこか幼馴染じゃないんですけど幼馴染みたいな懐かしさがあって。でもどこかに憂いもあって、っていう感じが「うわぁこの人が月末だ」って思って。はじめましてなのに「あ、なんか信じられるな」って感じで現場に入れたのを覚えてます。
松田龍平演じる同世代の受刑者「宮腰」と「月末」、「文」の独特な三角関係
ーどのようなことを考えながら演じられましたか。
錦戸:僕が演じた月末は、宮腰を人として信じたいという気持ちも、信頼していた部分もあると思うんです。疑うとか信じるとかも、相手に無関心だと何とも思わないわけじゃないですか。相手に何かしらの興味をもって人として関係していくわけですから。宮腰のセリフに「それは友達として言ってるの?市役所職員として言ってるの?」みたいな、相手の心持ちを確認するようなものも出てくるんですけれど、実際、月末自身も本当はどう思ってたのか、定かではないとこもあるなと。その時々で小さな嘘をついちゃうようなところもあるんじゃないかなって。
木村:裏切られたとき、信じた分と同じだけ深く傷つくというのはあると思うんです。やってても実際に見ても思うことなんですけれど、ほんとに答えがでないなぁ。私の演じた文が、この人ならって信じちゃった人が宮腰で。でも文はほんとに彼を人と信じていたのかというと、どうかなぁ。宮腰がやったことに対しても、それが嘘かほんとか、自分で確かめてないんですよね。人から聞いた話しか信じてない。どうして本人に聞かなかったんだろうとか。きっと、そういうのが続いてる人なんだろうなぁと思います。そういう、セリフにはない部分を、どう仕草や表情で伝えていけばいいのか大変でした。
ー実際に友達と同じ相手を好きになってしまったらどうしますか?
錦戸:俺がいけそうって思ったら行くかもしれないですけれど、大概いかないと思います。女の人よりも友達を取ると思いますけどね。まぁその時のフィーリングですよね。もし友達の好きな人を好きになったとして、それで壊れてしまうような友情だったらいらないかなって思う正直。そういう経験は実際はないにせよ。
木村:私は様子を見守るタイプですねぇ。争うのって疲れちゃうので。好きになった相手がどうするかはわからないじゃないですか。相手が私を選ぶ可能性だってあるし、なにより好きな人が幸せでいてくれることが、自分にとって一番の幸せだと思うので。この人良いなぁって思ってたら、友達から「実は私、その子のこと好きなんだよね」って打ち明けられて、ふわぁ~ってなったことはあります。たぶん鈍感なんでしょうね「好き」っていう気持ちに。今楽しいからそれでいいかぁって、あんまり考えてなくて。初めてそういう「この人もあの人が好きなんだ」って人が出てきて、たぶん月末とおんなじだと思うんですけれど、宮腰が出てきたことで、自分もその人が好きなんだってことに気づくっていう。
ー比較的すぐに人と打ち解けられるタイプですか?
木村:んー。私は自分と文は似てるところがあるって思います。田舎から都会へ逃げて戻ってきた文とは違って、私自身は進み続けるしかなくて。その中で好きな人とか信頼出来る人が周りにいることにやっと気付けたなと思っています。文も、作中ではいろんな敵や味方に気付くキッカケを得ていきますけれど、もう少し早く、好き嫌いや気に入る気に入らないの問題じゃなくて人を信じられてたら、月末とももっと一緒にいられたのかなぁって思いましたね。
錦戸:……僕は大概、初対面の相手への第一印象を良く思わない事が多いんでね……(苦笑)自分がそれこそ傷つきたくないって、ちょっと疑ってかかってるところはあるし。そこから良いとこ見つけていったら好きにもなっていくし。少なくとも僕はそうですね。みんなそうやと思ってましたけれど、まず自分からは向かってはいかないですね。友達の友達とかやったら、自分の友達やから「大丈夫」っていうジャッジが出てるんやったらいけるかもしれませんけれど。
***
実力派キャストが集結し描かれる、誰も想像し得ない結末が訪れる、全く新しい衝撃作『羊の木』は2月3日(土)公開!最後まで目が離せない本作を是非劇場で。
INFORMATION
映画『羊の木』
元受刑者を自治体が受け入れる新仮釈放制度により、閑散とした港町・魚深市に男女6人が移住してくる。市役所職員の月末一(錦戸亮)は彼らの受け入れ担当を命じられるが、やがて彼ら全員に殺人歴がある事を知る。さまざまな感情が交錯する中、元犯罪者を受け入れた町と人々の日常は、少しずつ狂い始めていく……。
2月3日(土)全国ロードショー
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯/松田龍平
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/
©2018『羊の木』製作委員会 ©山上たつひこ、いがらしみきお/講談社