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フェイス・エヴァンスと亡き夫と奇跡のコラボアルバム発売、リル・キムやチャイナ・タージェレイも参加(Album Review)

BillboardJapan

 90年代を代表する女性R&Bシンガー、フェイス・エヴァンスが、元夫で1997年に亡くなった、ノトーリアス・B.I.Gとのゴースト・デュエット・アルバム『The King & I』を、5月19日にリリースした。このプロジェクトは、前作『インコンパラブル』(2014年)をリリースした後から温めてきたアイデアだそうで、昨年末に死去したナタリー・コールと、故・ナット・キング・コールの『アンフォゲッタブル』(1991年)にインスピレーションを受けたとのこと。このアルバムは、翌92年の【第34回グラミー賞】で「最優秀アルバム賞」など、主要3部門を受賞している。
 本作には、スヌープ・ドッグやバスタ・ライムス、リル・シーズなど、90年代を代表するラッパーや、ケヴィン・マッコールやジェイダキスなど2000年代を代表するアーティストまで、バラエティ豊かなゲストたちが参加している。中でも、ノトーリアス・B.I.G.の愛人でフェイス・エヴァンスのライバル的存在でもあったリル・キムと、フェイスが1992年に交際していた音楽プロデューサー、キヤマ・グリフィンとの間にもうけた娘、チャイナ・タージェレイの参加は、往年のファンも注目している。
 ビギーのラップと交互に、相性良く歌を絡ませるフェイス。サウンド的には、「レガシー」や「トライナ・ゲット・バイ」、「キャント・ゲット・イナフ」など、90年代直結のヒップホップ・ソウルが中心となった内容で、初期のフェイスを彷彿させる「アイ・ドント・ウォント・イット」や「ゴット・ミー・トゥイステッド」などのナンバーも収録されている。フェイス自身がラップを絡めて歌う「ドント・テスト・ミー 」もすばらしい。
 一方、ゴスペル調の「イット・ワズ・ワース・イット」や、硬軟の扱いを自由にこなす「ワン・イン・ザ・セイム」など、メロウも充実。リル・キム、ビギー、フェイスの3人が絡み合うミッド・チューン「ラヴィン・ユー・フォー・ライフ」、スヌープが参加した80年代風ディスコ「ホウェン・ウィ・パーティー」あたりも傑作だが、ゴースト・デュエット・アルバムというコンセプトでは、「ア・リトル・ロマンス」がベストか。
 あの頃、彼らのアルバムを聴いていたリスナーも、90年代アーティストの作品を掘り返したい若者にも、是非聴いていただきたいアルバムだ。Text: 本家 一成


◎リリース情報
フェイス・エヴァンス&ノトーリアス・B.I.G.
『The King & I』
WPCR-17691  2,200円(tax out.)
https://youtu.be/3D1DXAD09gQ