劇団EXILE・青柳翔、時代劇ならではの作品作りに感銘 - girlswalker
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劇団EXILE・青柳翔、時代劇ならではの作品作りに感銘

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■共演されたEXILE AKIRAさんや小林直己さんの印象もお聞かせください。
A:AKIRAさんは時代劇もやられていますし、殺陣なども早かったですね。稽古の段階から本番まで見学もさせていただいたので、演技はもちろん現場での立ち振る舞いまでいろいろ学ぶことが多かったです。直己さんも殺陣が多くて、殺陣師の方とコミュニケーションを取りながら、殺陣の構成を一緒に練っていらっしゃるのを見ていて、改めて凄い方だなと思いました。印象的だったのは、ある日、セットの近くにあった森を昼食も取らずに立ったままじっと見つめていたこと。思うにご自身が演じる役の住んでいる世界観に極力身を置くことで、役に集中しようとしていたのだと思います。あと、雨中のアクション・シーンがあるんですが、尋常じゃないくらいに寒かったんです。その中で倒れた時に僕はうつ伏せで寒くて動かずにはいられなかったのですが、直己さんは顔が水没直前くらいまで水が来ていたにも関わらず、微動だにしなかったんです。しかも、次の日はライヴが入っているスケジュールだったりと、本当にタフな方だなとつくづく感じました。

 

■あの雨の中の立ち回りは本当に凄かったですね!
A:豪雨の中での殺陣は秋頃の撮影だったんです。ただ、真夜中である上にセットが作られたのが標高400メートルの場所。風などを遮るような林なんかもないロケーションで凍えるような寒さだったんです。しかも、雨粒をしっかり見せるために50トンの水を3台のクレーンから放水設備を使って降らせていたので、前がよく見えないくらいの雨量になっていました。だからこそ、直己さんも念入りに殺陣師の方と打ち合わせをされていたんだと思います。

 

■〈たたら吹き〉の現場である、オープン・セット内に再現された高殿(たかどの)の出来はいかがでしたか?
A:昔ながらの手法で釘を使わず、木を組んで建てられた建物だったんです。いわば出雲大社と同じ作り方。というのも、釘や鉄筋などを使うとあまりに室内が高温になるので曲がってしまってかえって危ないそうなんです。本物の炉だったので、劇中で本当に玉鋼を作ったのですが、それは本当に日本刀の材料になりえるほど良質なものに仕上がったんです。撮影は夏だったんですが、本当は1月と2月に〈たたら吹き〉をやるものなので、撮影時の暑さはハンパないものでプロの方ですら苦戦する過酷な現場でした。僕は炉に砂鉄を入れるのが仕事という設定でしたが、その砂鉄を入れる時が一番暑かったですね。

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■さらに主題歌についてですが、最初に聴かれた時の感想はいかがでしたか?
A:あ、これはエンドロールを最後まで観てしまうなと(笑)。最高の曲だと感じました。久石譲さんには音も何も入っていない状態のラフの映画をお見せして、そこからイメージを沸かせて作られたそうです。ATSUSHIさんの歌詞も久石さんと同じく映像を観て、心に残ったものから詞を組み立ててくださったそうです。

 

■改めて完成した作品を観て、ご自身で一番印象的だったシーンはどこでしょうか?
A:劇中で「憎しみの連鎖を断ち切る」といった意味合いの言葉が2度ほど出てくるんです。それを言われる側ではあるんですが、本当に簡単なことではないなと感じています。でも、それこそがこの作品に込められた大事なテーマのひとつなんだと個人的には思っています。もし大切な人を殺されたら、復讐を考えてしまうのは自然な心の動きなのかもしれませんが、それをくり返していたらさらに復讐心がどこかに生まれてしまう。怒りに身をまかせるのではなく、許すことの大切さなど、いろいろ考えさせられる作品になったと思います。

 

■その他、撮影で苦労されたことや裏話なども可能でしたら教えてください。
A:とにかく何に対しても妥協することなく、丁寧に大切に作らせていただいたことへの感謝だと思います。例えば、直己さんと一緒に良い雲を待って1時間くらい時間を過ごすのもザラでしたから。あとは、スタッフのみなさんと飲ませていただいたり、AKIRAさんや直己さんとも食事をさせていただきました。みんなで地元の美味しいものを食べて酔い、その日できたことやできなかったことをいろいろ話し合った上で次の日もがんばる。そうして、じっくり撮影に向き合わせていただけたのがありがたかったです。

 

■また、本作は『第40回モントリオール世界映画祭』最優秀芸術賞の他、多数の映画祭でも受賞!どういうところが、海外でも評価を得られた要因だと思いますか?
A:映像もアクションも、本当に関わった全員がこだわりを持って作った作品だということだと思います。〈たたら吹き〉という題材も注目していただけるポイントだと思っていたので、様々な部分が評価されたのが嬉しいです。義を重んじるだけの従来の侍ではなく、ちょっと違う角度から見た日本の侍像が受け入れられたのではないかとも思います。

 

■最後に、今作が描こうとした〈侍〉=日本人像とはどんなものだったのでしょうか?
A:実は伍介が一番現代人っぽい発想の持ち主なのではないかと感じていました。伍介のように村を守りたい側の想いと、伝統を守りたい側の想い。どちらも正しいんですが、そこが交錯するのも今作の面白いところ。誰かを守りたいと思った時にいかなる行動を取るのか、ぜひみなさんにもそこを考えながら観てみていただけたら嬉しいです。

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「美しい映像を始め、すばらしいアクション・シーン、そして伍介がいかに憎しみの連鎖を断ち切るかという物語まで、みんなのこだわりが詰まった作品になっていると思います。そういう意味で、どこかひとつではなく、すべてが見どころだと思います。」と青柳さんも語るように、すべてのこだわりが重なって生まれた作品となっています。ぜひ、伍介の生き様を劇場のスクリーンで受け止めてみてはいかがでしょうか?

 

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『たたら侍』
2017年5月20日 新宿バルト9、TOHOシネマズ新宿ほか全国公開

戦国末期、1000年錆びない鉄を作る幻の村があると噂されていた。出雲の山奥にあるその「たたら村」では、古来より門外不出の高度な鉄作り“たたら吹き”によって出鐵鋼(いづものはがね)と呼ばれる貴重な鋼が作られていた。天下無双の名刀を作り出すその鋼を求め、刀匠ばかりでなく諸国の大名に取り入る商人たちも躍起になっていた。“たたら吹き”を取り仕切る村下(むらげ)の息子、伍介は、一子相伝の技を受け継ぐ宿命だったが、幼い頃に鋼を狙った山賊に村が襲われて以来、強くなって村を守りたいと思うようになっていった。
諸国の大名が鉄砲の数を競う中、村に鋼を求めて訪れた商人の惣兵衛から、農民でも侍になれる時代がきたことを知らされた伍介は、「村を出て侍になりたい」と村の掟に背いて旅に出る。しかし、そこには厳しい現実だけが待っていた。

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原作・脚本・監督:錦織良成、エグゼクティヴ・プロデューサー:EXILE HIRO
出演:青柳翔/小林直己 田畑智子 石井杏奈
高橋長英 甲本雅裕 宮崎美子 品川徹 でんでん
橋爪遼 菅田俊 音尾琢真 早乙女太一
中村嘉葎雄 佐野史郎 豊原功補 山本圭 笹野高史
AKIRA/奈良岡朋子/津川雅彦
主題歌:「天音(アマオ卜)」(rhythm zone)
作詞:EXILE ATSUSHI
作曲・編曲:久石譲
歌:EXILE ATSUSHI

(c)2017「たたら侍」製作委員会

 

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