『NHK2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」THE BOO...
「職業を間違えた…!」女優・門脇麦、自分の心を“尾行”し変化した意識
girlswalker編集部
記者:尾行のシーンの珠を演じている時はいかがでしたか?
K:尾行をすることに集中すればよかったので、一気に体が軽くなってすごく楽しかったです!ようやく現場を楽しいと思えました(笑)。他者という自分以外に目を向けるというのはある意味現実逃避。そういう興奮もあったんじゃないかなと思います。
記者:尾行のシーンで珠と石坂が近くてバレるんじゃないかと観ていてハラハラしました。
K:近かったですよね。カメラに映らないといけないので、明らかに近すぎるでしょという距離感とかあったのですが、そこはファンタジーです(笑)。
一同:笑!
K:普通だったら速攻でバレていますね(笑)!
■もし尾行するならどんな人にしますか?
K:まったく知らない人がいいです。知っている人は知っていい部分を見せてくれていると思うので、自分が知らない一面を知ることに、あまりいいことがないんじゃいかなと思います。喫茶店で隣に座ってた方とかですかね。今日一日なにするのかなーっと。
記者:1日を覗いて見たいということで、気になる職業はありますか?
K:全くお仕事内容が想像つかない職業の方がいいですね。ダムの水質を検査をしている人とか!
記者:確かに想像出来ないですね(笑)!
K:南極でクジラの管理をしている人とかもいいですね!ドラマなどでお医者さんとかシェフとかなんとなく知っているつもりなので、そういうドラマとかにまだ使われてないような職業が気になります。
記者:尾行とはある意味人間観察。観察することは得意ですか?
K:得意では無いですけど、人間観察はよくします。学生の頃も、人間観察は常にしていました。
記者:劇中では長谷川さん演じる石坂を尾行していましたね。長谷川さんの観察は?
K:長谷川さんと過ごした半分の時間は背中しか見ていないのですが、背中でも十分カッコいい方でした!
■撮影の期間中はオンオフの切り替えを意識していますか?
K:いつもは役の感情のままで家に帰ることがないのですが、今回はあえてオンとオフをつけないでいようと臨んだ撮影現場でした。珠に関しては私情を全部そのままにした方が面白い映画になるだろうなと思ったからです。
記者:監督が門脇さんはカメラが回るといきなりトップギアが入ると言っていたそうですね!
K:私はどんな時でもどこでも寝ることが出来るんです。感情を爆発させるシーンでもその前に寝ても全然大丈夫です。起きた瞬間シャキッと頭をフル回転させられるので、たぶん岸さんは、そのことをトップギアに入るとおっしゃってくれたのかな。
■女優を始めた頃と今では“役者”としての気持ちに変化はありますか?
K:映画が好きでバレエもやっていて、“表現することがしたい”と思いこの業界に入りました。入ってからあまりにも自分の中に表現するものが無いって事に気づいてしまって。「選ぶ職業を間違えた…!」と思った時もありましたね。でも無いからこそ埋めていきたいと思ったし、この世界には優れている人たちがたくさんいて監督が作りたいものを一緒に作りたいとかそういった面白さを発見していきました。その時は、私が意識するゴールは常に監督だったり撮影現場でした。
記者:期待に答えるという目的のもとだったんですね。
K:だから監督の為に頑張るとか現場の為に頑張るという気持ちでやっていました。でもそれだけでは、より高い所を目指そうと思った時に難しかったんです。この仕事を好きでやっていますということに自信がなくてすごく恥じらいを感じていて、それよりも監督の為に作品の為に頑張っています。という方がある意味逃げ道で、許している自分がいました。
記者:そこからどう変化をしたのですか?
K:まだまだ自信は無いですがこの仕事を好きでやっています。自分が妥協しないモノ、自分が常にワクワクするモノを求めている。というゴールに変わった気がします!
記者:自分に意識を向けられるように変わった転機のような時期はありましたか?
K:徐々にですね。今までやってきたこと何か一つでもかけていたら、今は無いと思います。それに自分に目を向けられるようになったことで、さらに監督や現場の為という気持ちがより強くなりました!
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尾行を体験したことに「いけないことしているスリルがあって、ちょっとワクワクしてしまいました。」と非日常だからこその魅力にドキドキ!役者として自分自身のゴールをより高いところに見つける事ができ、更なるパワーを秘めた門脇さんが、今後どのような姿を見せてくれるのか楽しみです!
知的で哲学的に思考を刺激する心理エンターテインメントである本作は、ひとりの女の子の成長でもありそれぞれの人間ドラマでもある。浮かない毎日や、なぜかわからないけどモヤッとする日々を過ごしている人はぜひ、劇場に足を運び珠を通して、自分について観察をしてみてはいかがでしょうか。
Information
『二重生活』
2016年6月25日(土)新宿ピカデリー他全国ロードショー
表参道、渋谷…移りゆく東京の街の風景のなかで、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくー
大学院で哲学を学ぶ珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まったー。
出演:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー ほか
監督:岸善幸監督
原作:小池真理子
[R15+]
(C)2015『二重生活』フィルムパートナーズ